トップ » 我が青春の吹奏楽・・・ » わが青春の吹奏楽05

わが青春の吹奏楽05

わが青春の吹奏楽05

二年生の時の体育祭。

これも忘れられない思い出の一つです。中学時代の吹奏楽でいくつか思い出を挙げるとすれば、先に述べた「合宿での軍艦行進曲」と、今から述べる「二年生の時の体育祭」。そして次々回投稿予定の「三年生の時の体育祭」などでしょう。

「下手くそ児玉」「個人持ち楽器のくせに」といった一年生の時のレッテルは、もうこの頃にはすっかり払拭できておりました。要するに一人っ子なもんで晩生なんですよねぇ~

そんな中、体育祭が近付いてきました。
体育祭で嬉しかったのは、赤い棒タイと黄色いレニヤードを着けられることでした。マーチング用のコスチュームはなかった代わりに、白ズボンと白カッターシャツに、この赤い棒タイと黄色いレニヤードを着けるだけで、結構カッコ良く見えるものです。

ここで少し話しは逸れますが、通っていた中学校は、生徒会選挙が年に2度ありました。5月~10月までの前期、11月~4月までの後期です。尊敬するS先輩はこの当時、前期生徒会の副会長でおられ、多忙ゆえになかなか練習や合奏にも来られませんでした。

そんな条件で迎えた体育祭で、突然S先輩から本番前に、思いがけない言葉を戴いたのです。

「児玉。私の代わりに吹いて! 最近練習不足やから」

吹いて! とは?

S先輩は1st。僕は当時2nd。
なのにいきなり1stを吹いてくれというのです。勿論、S先輩ほどでしたら、練習不足とはいえ充分こなせるはずのものなのに・・・

後になって分かったのですが、実はS先輩はその後、埼玉県に転居なさるとのことだったそうで、つまり、そうすることで僕に自信をつけさせる「後は任せたよ」という意味合いであったのではと、愚考するのでした。
そうとも知らずにそれを伺った瞬間、当然ながらギクッとし、
「え? そんな! いや、先輩一緒にお願いします」と答えるのが精一杯でしたが~
それから楽隊として音が出だすまでの僅かな時間の中で、僕の胸に去来したもの。
それは、
驚きとは別の「やっとここまで来たか」 でしたねぇ~
これこそが「音楽少年児玉」の真の姿だと思う反面、色々あった昔が走馬灯のように脳裏に浮かび、ちょっとセンチになったのでした。

やがて指揮者の合図で始まった体育祭での楽隊が演奏する音楽は、僕の音が高らかに鳴り響くものだったのです。

またある時、
先生がなかなか合奏に出て来られないということで、二年生の男子が一人一曲ずつ指揮をしようということになりました。皆、慣れない手つきで片手でしていたのですが、僕は両手で表現力豊かに出来る自信をひそかに持っておりました。ただ、イジメられた昔のトラウマもあり、また不用意に目立ってしまってもいけないと思い、自分としては自己表現と遠慮のギリギリでたどたどしくやっており、それでも「おぉ~っ!」っという感嘆の声は上がるもので、内心ヒヤヒヤものでした。
これ以降「自分の才能を遠慮なく発揮できる環境が欲しい」と、心から思うようになっていくのですが・・・

それは、
高校に進んで、また新しい世界として思い知ることになるのです。