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わが青春の吹奏楽04

わが青春の吹奏楽04

そんな折り、とっても嬉しい出来事がありました。

秋風がひんやりとしてきた頃、未だにチューニングBがやっとだったのに突然、上のDが出るようになったのです! 自分でも信じられませんでした。曲はニューサウンズインブラス岩井直薄氏編曲の「サウンドオブミュージック」中の最後の曲「全ての山に登ろう(Climb Every Mountain)」の冒頭HとDesとDからなるフレーズです。本当に自分の音だろうかと耳を疑いたくなるような、でも驚きと喜びに満ちた瞬間でした。たまたまそばにいた二年生でホルンの先輩も喜んで下さり、終わる時間に楽器室で、猛特訓して下さった先輩に報告すると「へぇー、良かったじゃん。今度の合奏で出たら本物だね」と言われました。

ワクワクしながら翌日、そのフレーズを吹くと・・・
出ません!
「えーっ? まぐれ?」
この時の焦りと落胆は相当なものでした。加えて、そんな時に限って「今から合奏~っ」という声。「あぁ、出なかったらどうしよう」 その緊張感ったら、ありません。チューニングはどうにかクリアし、そのフレーズに余力を貯えておくため、それまではやや小さめに吹いておりましたが。さぁやってきました、例の部分が。

果たして・・・

一回目はダメでした~
二回目はDがぶら下がるような感じで、キレイではありませんでした。
三回目、電池切れのようになり(笑) その日の合奏のその部分は、そ
れで終わりました。
終わった後、先輩は何も言われませんでした。まぁ、自分も納得はいってないし。でも残念~ 「クソー」

結局、その曲は練習としての役割だけで終わり、以後、当分合奏する機会はなかったと記憶しております。でももう一曲、好きになった曲がありました。三年生の卒業に合わせて、式典後に運動場で演奏する設定になった、團伊玖麿作曲の「祝典行進曲」です。現在の天皇陛下がご成婚の折りに作曲された曲ですが、一般でも良く演奏を耳にする行進曲です。この曲のトランペットパートは1stは勿論、2ndも華々しいフレーズが続くのに対し、3rdはこう言っては何ですが地味な存在で、未だ3rdに甘んじていた僕としては「せめて2ndを吹きたい」という思いを胸に、それでも我慢して練習に励んでいました。

そして卒業式の当日。
なんと雨にたたられ、運動場での演奏は中止となってしまったのです。
丙午生まれのこの当時の三年生は、どういう訳か「雨学年」で、三年間を通じて雨天中止を数多く経験した学年だったらしく、可哀相に、はれの卒業式まで雨で、中学生活を終えたのでした。
そういう不遇もさることながら、僕は思わず、同じクラスで、委員長だった僕に対し副委員長を務めていた女子に、グチをこぼしたものでした。
「せっかく練習したのに。2nd吹きたいけど下手やから我慢して3rd練習してたのに。そりゃ三年生も可哀相やけど、俺も可哀相やと思わへん? だって卒業式なんて年に一回、ましてああいう曲は普段演奏せえへんやん、そやろ! なぁどない思う?」と、それはもうしつこく(笑)くどくど言い連ねたものでした。でも彼女も「ふんふん」と大人しく最後まで聞いてくれたんですよ。優しい子でした(笑)この場をお借りしまして(爆)H嬢に遅まき乍らお礼申し上げます~

楽器も特に吹奏楽器は、冬場は唇が不調気味になりやすいのですが、春休みが終わって新入生が入ってくる頃になると、だんだん復調してきます。先輩が下手ではいよいよ恥ずかしいという意識も手伝って、もうこの頃は左程に苦労を感じることもなくなっていました。
トランペットパートに入ってきた新入生は、二人の女の子。どちらの子も器用で、ゴールデンウィークの頃にはちゃんとチューニングBが吹けていました。
かたや僕は、自分の思い出話を織り交ぜながら、先輩に教えられた方法に自分なりの解釈を加え、先輩風を吹かせられるようになっていました(笑)