コラボ! 次々に生まれた曲たち(6)
コラボ! 次々に生まれた曲たち(6)
こきりこパズル
当初の曲名は「フュージョンこきりこ節」だったんですが、今は個人的に(?)「こきりこパズル」と呼んでいます。
この曲の一番の特徴は「平行調」!
「テーマをAマイナーにし、バッキングをFメジャーにする」のです。平行調は中学音楽教科書に載っているものの一つで、僕はその当時、試験の時だけ同主調と併せてただ覚えただけで終わったものでしたが・・・
日本民謡中、最もシンプルなこのこきりこ節ゆえに、アレンジは最も難しいはず。だって他にやりようがないですからね~ でも「これを仕上げられたら男だぜ!」とばかり(笑) 頭をひねって考えた果てに行き着いた答えが「平行調」なのでした。
実際にやってみると・・・ まぁ、なんということでしょう(爆)あれほどまでに涼しげな曲に生まれ変わるとは我ながら思ってもみませんでした。リズムをスイングにすると更に心地好く、いつまで聴いていても飽きない感じで、暫くはその心地好さに浸っていたわけですが・・・現実的には、これだけで終わるわけにはいきませんよね。
そこで次の展開として、Dマイナーのロック調にしてみると~ 先ほどの心地好さとはうって変わって、ビシバシのこきりこになってしまいました。メリハリという意味ではいいかもしれないけど「これがこきりこ節か!?」と批判されるのは目に見えてるなぁと、ちょっとコワイ気がしたので、「この曲の目玉は平行調なんです」という主張を持たせるため、もう一度平行調に戻す形で収拾をつけたのでした。
つまり「緩・急・緩」。
それでも幸真会の発表会でのアンケートには、少数ながら辛辣な意見が見られたものでした。「こきりこの趣旨に反する」と・・・
確かに、これを友人宅に持参した当初、彼は「ここまで来てしまったら手に負えない」という印象を抱いたようでした(汗)。しかし丁寧に説明していくと、次第に理解を示してくれ、発表会に先駆けて演奏したライブ録音を聴いた彼は「これなら大丈夫だ」と思ったようでした。
その数年後、自分の中でもう一度このこきりこ節を練り直してみようと思い立って、同主調と平行調を様々に組み合わせ、まるでパズルのように曲想が入れ替わり立ち代わり展開していく感じに仕立て直しました。これが曲目改名のいきさつなのですが、楽譜にラフプランを書いているだけで、まだ演奏してはおりません。いつかこれが日の目を見た時の、聴衆の反応が楽しみなのです。