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第十五回発表会に向けて・・・

第十五回発表会に向けて・・・

  来たる平成14年11月3日(祝日)12:30より、神戸市立東灘区民センターうはらホールに於て、日本民謡幸真会第十五回発表会が主催されます。今回のコラムはそのコマーシャルにしたいと思います。

 今年から新しい規格と企画が幾つか始まります。それらを順を追ってご紹介しましょう。

1、チラシとプログラム冊子。

 パソコンとプリンタで、下記の「今年のお題」のカラー画像を前面に押し出した、カラフルなチラシを配付します。
  また冊子は、従来の印刷業者の製本から、ワープロとコピーを使った一枚折りのシンプルなものにします。
経費削減対策が眼目ではありますが、同時に民謡界の風習に一石を投じる意味合いもあります。

 民謡界では事前にプログラム冊子を大量に配付するので、一見の方以外の殆どのお客様は当日既に冊子を持参して会場に来られる事になります。出演者や関係各位にとってならこの風習は誠に有難いでしょうが、ご来場が未定のお客様に関しては、このばらまきが「タレ流し」の割合も含んでいる事になる訳です。

 右肩上がりのいにしえならそういう贅沢も結構でしょうが、無駄を排するのは今や現代人の常識。チラシで充分だと思います。

  もっとも手前共では従来、色紙に白黒のコピーチラシでした。それをパソコンとプリンタに変更したのは、カラフルでデザインが平易に変えられ、しかも安価である、現代企業の技術革新の恩恵享受といえるでしょう。 ただ、業者との繋がりはプライベートなレベルで維持しております。人の繋がりは大事ですからね。

2、表玄関立て看板と舞台一文字看板を廃止し、表玄関には拡大カラー画紙をイーゼルに立て、舞台には「今年のお題」の絵を飾る。

 1と同様の目的ですが、単なる削減策ではともすれば見窄らしくなってしまうのを、更にアイデアでカバーした形です。

従来の大きな立て看板では、この業界が求める若い世代は近付きにくい印象だったようです。まるで、着物か和風ものの売り出しのようだと・・・しかし、洒落た料理屋などの表玄関に最近、イーゼルの上にメニューを書いて置くという演出をよく見かけますが、あの趣きを取り入れれば、フレンドリーな雰囲気になります。

 また舞台での一文字看板も若者には居丈高なイメージでした。クラシックのコンサートなどでは、まず見かけません。そこで今回から舞台袖に絵を飾るようにしました。 山のモチーフの民謡を唄う会員の時、その山の絵にスポットが当たり、観客のイメージを高める趣向です。 それを「今年のお題」(後述)という企画と結び付けて、演出効果の1パーツに代替えしたのです。

3、司会進行役に中学生

 これは実は、前述の「絵」と同じ規格の予定でした。絵も中学生に画いて欲しかったのです。が、みな何処とも行事や勉強との兼ね合いで忙しい模様で、辛うじて司会進行役のみ、神戸市立住吉中学校放送部のみなさんがお引き受け下さいました。同中学は幸真会にとってトライやるウィーク登録校であり、昨年度に於て実績を挙げられた事は、以前このコラムでも申し上げました。

その繋がりを評価して下さった故か、趣意書を投函したなんと翌日、二つ返事で即答下さいました。 ただ昨今の世情、生徒の身の上を手前共なりに鑑み、MD録音で作成して当日は参加しなくてもいいような提案を致しましたが、全国レベルを誇る実績を持っており、生徒にもいい勉強になるからどうぞ直接お連れ下さいとの事。頼もしい限りです。

高齢化と揶揄されて久しい民謡の会のエスコートに、若い声が響く・・・今からが楽しみです。

4、「今年のお題」

スケジュール頁では以前より継続して掲載しております。前述でも触れていますが、今年から4年間のスパンで、「山」「海」「祭」「粋いき」と続くシリーズ企画です。日本民謡の代表的なモチーフであるこれら4つを、年を追って綴っていく訳です。

 他方、会員方々にとって毎年何を唄うかは頭を捻るところ。それを「今年のお題」と提唱する事で、負担軽減になればとの目論見も実はあります。

ただこれは、会員にとって強制ではありません。結果的には各教室2~3名という割合に収まりました。観客にとっては全体的な構成に統一感が持てて観易くなるでしょう。加えて、山の絵にスポットが当たるという視覚効果も特徴です。

5、鳴物合奏

 従来は「幸真会合奏団」でした。幸真会ならではの会主のアレンジ作品、それも民謡だけでなく、童謡や唱歌、歌謡曲を、箏や西洋打楽器、三味線も2種類の音色、更に会主の尺八などで彩り、またそれらはよくありがちな三味線中心の編曲ではなく、各パート分担を出来るだけ均等に配分した、完全なアンサンブルコラボに編曲しているのが特徴でした。

 意義的には貴重だったのですが、昨今の会員高齢化に伴い、以後は負担軽減が大事との意味から、本来の民謡に立ち返り、純粋な民謡曲を三味線中心の合奏に仕立てます。 ただ、会内の意識向上は計る意味に於て、選曲や構成といった主導権は今後、名取会が一切を司ります。

6、名人と会主の民謡トークショー

 これは一番の目玉企画と言えるでしょう。

 日本民謡兵庫県名人会から毎年お一人づつ、名人をゲストとしてお迎えし、 会主と楽しくお話しをしながら、民謡を唄い合うという企画です。ヒントは、NHKの二人のビッグショーでした。

 賛助出演としてお迎えする先生方に対する舞台裏でのホスト意識としては、往々にして、丁重にお接待するあまりどうしても隔離状態となり、先生同士でもほんの少し言葉をかわす程度でしか接する機会がありません。

 また観客にとっても、舞台進行上の少ない時間の中で、一言の挨拶あるなし、プラス1曲聴いて終わりというのが従来の感覚でした。 これでは賛助出演といえど「ただの駒扱い」に過ぎません。

 それを、舞台の上でゆっくりと時間を取って、観客の皆様と一緒にお話しを伺い、そして共に民謡を唄い合えたら、それこそが本当の意味での「出演」になるだろうと考えました。観客の皆様も興味津々で楽しくご覧になるでしょう。

 ただ、名人先生方の負担を重くしてしまっては元もコも無いので、台本上、内容は端的に充実させる事がポイントです。

 

・・・以上、主だった事柄を記載してみました。このほかにも有形無形にアイデアは溢れています。

 これらの主眼。それは、

「不景気による経費削減対策」と「高齢化に対する延命措置」です。この2つは現在もう何処の民謡会でも頭痛のタネになっており、打開策も見当たらずに苦しんでいる、或いは無くなっていく民謡会が数多あるのが実情です。

 ただ、不景気と申しましたが個人的にはそうは思っておりません。これは時代の節目、新しい価値観への端境期現象だと思います。 本当に皆様の景気が悪かったら、お稽古事には来られない筈ですから・・・

 しかし幸い手前共には、こういったアイデアが滞る事なく企画として挙がり、しかも即実行出来、終われば反省点を洗い出し、次年度に引き継ぐ「環境」と「システム」があります。 舞台関連だけではなく、スタッフや主要な関連部署に於ても、マニュアルを整備し進化させる「システム」があります。

 メジャーでアッピール出来るような団体ではないので大したレベルではありませんし、 諸般の事情も様々に絡んできて、決して思うように進んでいる訳でもありませんが、形として表す事の出来る手前共は幸せなほうだと思います。

 そして、それには皆様のご理解とご協力が大事な要素です。

 会主とはいえ、人ひとりの力など微々たるもの。アイデアも、具現して下さる方々がおられればこそです。させて戴ける幸せを噛み締め乍ら、精一杯、舞台で務めさせて戴きます。中でも、譜代でご高齢の会員は老体に鞭打って頑張っておられます。どうぞ大きな拍手をお願いします。

 感動の十五周年記念大会からほぼ1年。今年は畏れ多くも、文化の日となりました。

 晴れの特異日と言われる昼下がり、どうぞお知り合いお誘い合わせの上うはらホールまでお越し下さりご高覧賜りますよう、

会員一同心よりお待ち申し上げております。