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発表会を終えて・・・

発表会を終えて・・・

  去る平成14年11月3日、日本民謡幸真会第十五回発表会が終わりました。今回のコラムは、その時の反省や今後の展望などを交えた内容にしたいと思います。

 今回からの特徴として、6つの新しい企画が実施されました。 

1、プログラム冊子を簡素化し、事前にはカラープリンタのチラシを配る。
2、立て看板を廃止し、イーゼルを立てる。
3、司会進行役を住吉中学校放送部に。
4、「今年のお題」を4年間のスパンで実施する。舞台にそのモチーフとなる絵を飾る。
5、幸真会合奏団から鳴物合奏への移行。
6、名人と会主の民謡トークショー

 この中で際立ったのはなんといっても、3の住吉中学校放送部でしょう。

住吉中学校放送部は毎年、全国放送コンクールに出場しているエリート放送部です。

神戸市内の主だった中学校行事では司会進行役を務めるのだそうで、そのクオリティーの高さに接した人々は多いと聞きます。

民謡界の司会は大抵、物に慣れた熟練の方、或いはプロ、そうでなければ会員さん同士の素人の味でほのぼのといった処ですが、

小子高齢化や不景気のあおりで閉塞感を強める昨今の民謡界にこれは、一石を投じるアイデアだと思います。

彼等にとっても日本民謡と接する良い機会でしょうし、高齢者が多い中で若々しい声が響くのは、なんとも清清しいものでした。

放送部の皆様にはこの場をお借りして、厚く御礼申し上げます。 

 次に「今年のお題」での舞台上の絵です。 

今回は「山」で、約3メートル四方の布に描かれた山の絵を使いました。

舞台天上部の正面には幸真会の会章がありますが、絵はその左側やや下に位置する形で、しかも、

山のモチーフの唄毎に上部から下がってきて照明で照らされ、浮かび上がるような感じになりました。

私は常に舞台に在りましたので少ししか確認できませんでしたが、いい感じだったと聞いております。

当方の企画に対して、制約を乗り越えてアイデアを出して下さった舞台スタッフ総舞舎の方々に感謝します。

同時に、来年は「海」で、どのような趣きにして下さるか今からが楽しみです。

 またトークショーも好評でした。

お客様が興味津々で私達の話をお聞きになっていた雰囲気は、スポットライトが眩しくて見えなくとも、充分に感じました。

中嶋先生や社中の皆様とは、おおまかな構成しか打ち合わせはしていませんでした。

だからこそ緊迫感や未知の展開があって、面白いのです。これこそライブの醍醐味だと思います。

また先生も、奇想天外な企画に快く応じて下さり、また盛り上げて下さり、有難く存じております。

 内部的には、プログラム冊子を簡素化した事で多額の経費削減に繋がりました。

当方がある方法で調べたところによると、民謡界のお客様の大半が、プログラム冊子は一年以内に捨てるとの結果が出ました。

貴重な紙資源ですからリサイクルならそれは別に構わないのですが、問題は、

会員さんからの大事な会費を投じ、また多少の見栄という部分、更に世の中の繋がりを大事にとの様々な思いから成る、

ある種の「作品」ともいえる冊子が、新聞紙と同様のサイクルで回るというのは、あまりにも勿体無さ過ぎるという事です。

世間は不景気と言いますが、実はこういった無駄の見直しによる新しい方向への示唆という意味合いがあるのではないでしょうか。

 次に、反省点を述べます。

まず一番印象に残ったのは、観客動員数が圧倒的に少なかった事です。

例年が330~360人ほどで推移している弊界の発表会ですが、今回はそのほぼ半分の190人。過去最低でした。

これは、11月3日という日程と密接に関係しています。

晴れの特異日ともいわれるこの文化の日の祝日は、各方面で様々な文化行事が目白押しです。

この当日、民謡ジャンルに於ても兵庫県民謡祭があり、殆どのお客様はそちらへ行かれたと伺っております。

昨年、鳴り物入りで各方面にPRした十五周年記念大会の時は、賛助出演の方々のお陰もあって、

クラシックを始めとする様々なジャンルのお客様とのご縁ができましたが、今回は、

やはりその方面でも行事があって「残念ですが」と事前にお断わりのお葉書を下さった方もいらっしゃいました。

一会の発表会が世間の動向を左右するには、幸真会はまだまだマイナーであり規模も小さいので、致し方ございません。

次回からはそういった点をよく考慮して、開催日程を選びたいと思います。

 次に、今回から鳴物合奏にしましたが、アンケートには「寂しかった、物足りなかった」とのお声がありました。

幸真会は「何か変わった事、新しい事をする」との評判が定着しているからかもしれません。その証拠に、

楽曲としてはまとまっていましたが、確かに演奏者自身、舞台上は何やら緊張に欠ける雰囲気は否めませんでした。

合奏に関わらず、全体的に「今回は楽だから」という安堵感が、

昨今の課題である「老化」を如実に露呈する反作用にもなったと思います。それに、

階位を持つ者、中でもベテランと呼ばれる者としては少々恥ずかしいミスも目立ちました。

 他方。当日は朝から風が強く肌寒い一日でしたが、空調システムの都合上、暖房は11月20日以降との事で、

客席の寒さを訴えるお客様が多く、その故に帰ってしまわれる方もおられ、またアンケートにもその類いの記載はありました。

お客様は、当方の受付を窓口として苦情を言われます。寒いのは当方も同じなので事務所に尋ねると、

「システム上無理なので外に出て日光浴でも?」という、何とも馬鹿げた回答が返ってきたとの報告があります。

この辺りは是非、センター側に改善を要求していくつもりです。

昨今の気象状況は地球規模で年々変化しているので、一定の基準は基準として、

ある程度の臨機応変さはあってしかるべきです。お客様のご利用あってのセンターなのですから・・・

 さて。これらを踏まえた上で今後、幸真会に求められるものは、

やはり「変わらぬ前向きな姿勢」だと思います。

あらゆる面に於て考えられる限りの智恵を尽くし、改善と向上と進化を旨として邁進したいと思います。

当日、ご光来、ご賛助、ご協力下さった皆様方には、この場をお借り致しまして心より厚く御礼申し上げます。また、

拙い手前共ですが精一杯の努力精進を重ねますので、変わらぬご指導ご鞭撻の程を宜しくお願い申し上げます。

ありがとうございました。