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大発見!「三連符の表記方法が違う」

大発見!「三連符の表記方法が違う」

 今回のこのテーマは、私自身もつい先頃まで気付きませんでした。洋楽譜、民謡譜、それぞれに解釈していて何の疑問も持たないまま、今日まで過ごしてきました。
  ジャンルに固定概念を持たず、一定の基準で広く亘っていくことに、いささかなりと自負を持っていただけに、今さらこの時期にこの発見はショックであったと同時に、これを両方の立場から正確に説明できる自分を、今後、ちょっとカッコイイと思ってしまうかもしれないという部分もあります(笑)
 では、その大発見をご説明いたしましょう。
 
 まずは洋楽譜の観点から~
4分音符の一拍を三連符に分ける場合、8分音符を三つ連ねて括り、上部に3と表記しますよね。
これは、4分音符を分けると、8分音符になるからという理由からで、それを「三連にする」とは、1÷3 つまり本来割り切れないのですが、そこは音楽的に、三つを均等に割り込ませるわけです。その時、4分よりも短い音符だからという理論から、8分音符の表記になるのです。

 そして、これを2:1の割合で弾んだ感じにする場合の表記は、4分音符と8分音符の組み合わせで上部を3で括る形になります。三つに割られた8分も、片方の二つを併せると4分になるという理論から、こうなるのです。

 洋楽をなさっておられる方なら、ここまではご理解くださると思います。文章で書くと、馴染みのない方には解り辛いかも知れません。その節は、どうかお許し下さい。

 ところが!民謡譜では、この洋楽とは解釈の違った表記をするのです。

 民謡の譜面にも、三連符は存在します。但し、三連符として演奏する楽曲は殆どなく、専ら上記のような、弾んだリズム、つまり2:1になります。民謡界では、この弾んだリズムを「ハイヤ系」と呼んでいます。

 因みに、そうでないものは平間「ひらま」と表現します。で、民謡譜の、この弾んだリズムの三連符は、なんと、8分音符と16分音符の組み合わせの上部を3で括る形で表記するのです。これだと洋楽の方曰く、「これは上記の半分の長さ、つまり倍のテンポだ」と、異口同音に言われるのは、まず間違いありません。

 しかし、テンポもリズムも同じなのです。何故か?

 4分音符を二つに割ると、8分になります。ここまではいいでしょう。この二つの音符を、2:1の弾んだ感じにするということは、隠れた三連の一つ分の長さは、元の8分のそれより短いということになります。

 即ち、まずは16分音符を三つ表記し、その後、そのうちの、片方の二つを併せると8分になるという理論から、8分音符と16分音符の組み合わせで上部を3で括る形になるのです。

どちらも、理屈は合ってますよね~
これは「慣れ」「馴染み」の問題だと思います。これだけ洋楽サイドに立っている自分の経験上(笑)、上記の民謡譜のように表記されていても、何の疑問も感じなかったのですから。いまの、いままで・・・

  ただ!経験上、申し上げますと、民謡譜のほうが、見た感じは分かりやすい気がします。8分音符を二つ並べて「これを弾んだ感じに」と指示された場合、最初に8分音符が書かれ、次に16分音符が書かれて3で括るほうが、イメージはつかみやすいのです。

 逆に、洋楽譜の三連符のように、最初が4分音符だと、いくら上部に3と括っていても、

1.遡って割り算し、
2.そのように解釈する、

  という、手順を二段階経るような感じです。

 もっとも、これらはどちらも「慣れ」「馴染み」の問題ですね。その表記が現れたら、もう条件反射的に音に出来るのが、演奏家、音楽家なわけですから。洋楽であれ、邦楽であれ。

  でも、こういう違った解釈と接することができるのも、色んなジャンルを渡り歩けているからだと思います。どちらの表記がと、是非を論ずるより、それでその世界は通っていけている、それでその世界は時間を積み重ねてきたという現実がある、そして、それに接することができ、それだけではなく、それぞれに理解し、納得できてしまうというのが、非常に面白いし、貴重なことだという気がします。

 こういった「同じものの解釈の違い」は、探せば、東洋と西洋で、或いはもっと他の地域で、まだまだ存在しているでしょう。フィールドワークにしてでも、価値あることかも知れません。