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兵庫県立美術館アトリエリサイタルを終えて

兵庫県立美術館アトリエリサイタルを終えて

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。
旧年中のご愛顧に心より感謝申し上げますと共に、
本年も当コラムをご愛読の程、宜しくお願い申し上げます。

多数のご来場を賜りまして、誠に有難うございました。

 昨年12月5日、兵庫県立美術館アトリエ1に於いて催されました、
「児玉宝謹の日本民謡 レクチャー・トーク・DUOコラボレーション」の折には、
多数のご来場を賜りまして、誠に有難うございました。
この場をお借り致しまして、厚く御礼申し上げます。
新年早々ではありますが、今回は、その時の感想や反省などを以ってコラムとさせて戴きます。

 前夜よりの雨模様に少なからず心配を致しておりましたが、当日は朝から青空が広がり、風は少々強かったものの絶好の日和となりました。
 心底「あぁ、良かった」と、胸をなで下ろしたものです。(天に感謝!)スタッフと共に会場入りしてからは、係員によるイスの整列、ピアノの調律、その間にスタッフへのマニュアル伝達などを経て、まず最初に自身のゲネ。続いて会場入りなさった金子先生とのゲネへと移りました。
 先月号でもこの場で述べたことですが、この時点でもやはり、尺八の温度管理が必要で、大体の合わせや自身の調整が済むとすぐ、スタッフの懐へと手渡したのでした。

でも実は・・・

 昼食をはさんで、13:30開場。14:00開演。
 でも実は・・・
この当日、自身の疲労が絶頂で、正直、頭の中はフラフラでした。
 こんな状態で望んだ舞台は初めてで、それによる影響は案の定、本番のあちこちで露見してしまったのですが、中でも最悪だったのが、三味線が倒れたことでした。スタンドに立て掛けたつもりが外れていたという、この辺りの注意力散漫ぶりも、疲労の表れです。
 それでも不幸中の幸いだったのは、壊れた部分がなかったことでした。
 ただ、倒れた事により2の糸巻きが強くねじ込まれた格好になり、全く動かなくなってしまったのには、焦りましたねぇ。
 普通なら三味線は、低い音の1の糸を合わせてから、2、3と合わせていくのです
 が、2が動かないとなると、その2に1と3を合わせなくてはならない格好になります。
 折りしも、それ以後、音合わせが必要な曲が1曲だけあり、それは低い目のキーを想定していたのに、前に唄った高い目のキーで倒れ、2が動かなくなったものですから、その高いキーのままの2の音に、1と3を合わせなくてはならず、内心、「こんな高いキーで・・・」と、不安でした。
 普段なら不可能ではないキーですが、前述のように疲労困憊のさなか。
どうにか唄えはしましたが、スリル満点の第一部の舞台でした。

第二部 コラボレーション

 時間通り進行し、10分間の休憩を挟んで、第二部。
ここからはDUOコラボレーションで、ピアニスト金子浩三先生との二人舞台です。
 先生ご自身曰く、「僕の声は通りにくいからマイクを使いたい」とのご要望で、私も先生とご一緒のトークの時のみ、マイクを使用したのですが、アンケート結果によると、これが逆効果だったようで、「反響しすぎて聞こえ辛かった」という回答が圧倒的でした。
 あの程度のキャパならむしろ、第一部で私がやったように、ナマの声のようがいいようでした。

 そして。
 温度調節の成果が問われる尺八とピアノとのコラボは、殆ど及第点と言ってよい音律で演奏することが出来ました。
 懐で温めてくれたスタッフから受け取った瞬間、彼らの誠意とでも申しましょうか、本当にホンワカと暖かくて「これならイケル」と確信できるものでした。
 しかし。それで気が緩んだのか(笑) 矢野先生の作品の演奏直後、客席にお越しの矢野先生をご紹介するタイミングを失っていることに、最後の民謡演奏中に気付き、慌てて、辛うじて拍手でご紹介が間に合いました。
 本当は舞台上にお招きすべきだったのでしょうけれども・・・

 こう綴っていくと、さながら倒れ込むようにゴールした感さえあります。
 松方ホワイエの時は初陣ということもあり、色々な反省点も許容されるでしょうが、それから僅か11ケ月後だった今回は、前回の経験が如何に生かされるかという、言わば「腕の見せ所」だった筈です。
 それが、「疲労」ごときで自身の足を引っ張るとは、全く以って不徳の致すところ、もったいなかったなぁと、思いました。
 内容的には、また時間的にも、松方よりはコンパクトに練られて良かったとは思いますが、
トークやレクチャー部分は、逆にもう少し「言うべきことがあった」のです。
 これらに関しては率直に反省し、今後に繋げたいと思います。

指導家として

 今回を「コンサート」という観点で見ると、至らない部分もあるでしょうが、私自身が本来目指している指導家として、「将来に臨む意味でのリハーサル的ライブ」言うなれば「演奏付きレクチャー」と捉えたとするなら、今回は大いに成功だったと思います。
 純粋なクラシックコンサートであっても、昨今は、演奏家が肉声で、何らかのメッセージを伝える風潮になってきているのですから、それが指導家の催し物なら、仮想「観客≠受講生」にとっては、充実しているのではないでしょうか。現に、甲南大学を初め、5つの大学で講師を務めておられる、清原義彦先生からは「内容が楽しかった」とのお褒めの言葉を賜りました。
 私にとっては大いに励みになるお言葉でした。

 とまれ、これを糧に更に精進を重ね、どのようなシーンであってもより充実した内容とできるよう、努めて参る所存でございます。
 これをもちましてご報告方々、御礼までとさせて戴きます。
 ありがとうございました。