コラボ! 次々に生まれた曲たち(10)
コラボ! 次々に生まれた曲たち(10)
「サンバ北海盆唄」
これは、ある日テレビから流れてきたボサノバの曲がヒントになりました。
ここでご存知ない方のために「北海盆唄」を確認しておきますが、
一言で言えば「ドリフターズ」です(笑)
♪ハー 北海名物 *ハ ドウシタドシタ
数々コラ あれどヨ *ハ ソレカラドシタ
おらがナー おらが国さの コリャ
ソレサナー 盆踊りヨ
*ハ エンヤーコラヤ ハ ドッコイジャンジャンコラヤ
北海とは北海道であり、このアレンジの媒体となったサンバは、ブラジルのもの。寒い北国の北海道と暑い南国のブラジルとが、なんで? っとお思いでしょうが、北国とはいえ、盆踊りは夏の暑い時期のものだし(笑) 盆踊りのリズムと「ワンツー ワンツー」で刻むサンバと、合致しないはずがない(笑) っというわけで、この組み合わせは成立したのです。
前回の「バラード郡上節」でも述べましたが、しっとりとしたスローバラードの郡上節が終わってから、フリーのベースソロへ、P からドラムが受け継いで次第にリズムをサンバ調に持って行き、この「サンバ北海盆唄」へと繋がるのです。
テーマの冒頭はC△で、最初の1~2小節はまるで「ブラジル」(曲名)と瓜二つのような感じです。歌詞で言えば上の句「北海名物、数々あれど」までを二回繰り返します。
次に下の句はAmで、突然アーティキュレーションが倍テンポになり、4/4一小節として2拍ずつのコード展開をしていきます。
つまり、
♪おらが
F△ ・ G△ | ナー お ・ らが国さの
C△ ・ Am | コリャ ・ ソレサ
Dm ・ E△ | ナー盆 ・ 踊り
Am ・ Am/G | ヨー ・ (おらが)
といった具合で、この部分を三度繰り返して全体が1コーラス、とするものです。
その後、
16小節のドラムソロを経て、ジャズらしいソロ回しになるのですが、順番は、
1)尺八、上の句(C△)部分のみで、全体をE△に移調してバース
2)ギター、上の句部分のみを、C△に戻してバース
3)キーボード、下の句部分のみでバース
という具合です。
1)2)3)が一巡すると、もう一度上記の1コーラスに戻るのですが、
実はこのあと更にコーダがあります。
下の句部分を津軽三味線ソロでバースし、最後は歌詞の、
”ソレサナー 盆踊りヨ”
部分を三度繰り返して派手に終わる、という構成なのです。
基本的にこの曲は津軽三味線フィーチャーで、尺八ソロのみE△コードになるので1尺6寸管に持ち替えとなり、その分多くの音色の違いが味わえるし、また順番にソロを回していってもかなりのサイズになるので、その意味で曲想的にはとても賑やかで華やか、如何にも「夏真っ盛り」といった雰囲気がよく出ています。
また、
バラード稗搗節ほどではありませんが、曲名を知らさなければ、まさかドリフターズの北海盆唄(笑)のアレンジだなどと、まず気付かない筈です。それはコーラス前のドラムソロが、P のフリースタイルから入るからです。どんな展開になるんだろうという「?」から、次第に見えてきたリズムが「サンバ」という答えなので、ここで聴衆は自ずと曲想に対する概念を固定してしまうんですね。でも、よ~っく聴いてみると、なんかペンタトニックっぽいし、ダサいといえばダサい。はて? これは一体なんだろう? と(笑)
ここで民謡通には「北海盆唄ですよ」と種を明かし、フレーズに合わせて歌詞を唄ってあげると、「へぇ~っ!」 っとなるわけです(・・・っというのは、うまくイケばのハナシ「爆」)
そんなわけで僕の民謡ジャズ。
これらを以って一応の区切りとしたわけです。
いろいろやってきたとはいえ、結局は大してうまくならなかったジャズでしたが、その分、良い仲間に助けられ支えられてきたと思います。みんな本当に、このししょーに(笑)よく付き合って下さいました。この場をお借りして深甚の感謝の意を表しますm(__)m
さて!
ニッチなファンに好評の(笑)この「必見!民謡コラボレーション」ですが、次回からは少し趣きを変えてお送りします。
幸真会の発表会で震災以前まで「幸真会オーケストラ」という企画をしていた時節がありました。これは、まず僕が指揮者、お三味線がヴァイオリンの位置、打楽器やお箏、お囃子などがチェロ、弦バスなどの位置、合唱は後列といった具合で、いわゆる合唱つきオーケストラといった感じの配置に、アレンジを施した民謡を組曲にして演奏していくというものだったのですが・・・
ここでアレンジされた民謡曲の主だったいくつかを、ご紹介していこうと思います。
Vol.2の第一回目は、お箏を伴奏パート(アルペジオ)として扱うアレンジをした、宮城県の新民謡「米節」をお送りします。
お楽しみに~(^o^/~~