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すみれガ丘小学校合唱部にて その2

すみれガ丘小学校合唱部にて その2

 前回に続きまして、すみれガ丘小学校合唱部での出来事です。

 先生方のご指導の賜物と思われますが、

その場の児童たちの雰囲気は、誠に規律正しく、且つ素直で子供らしい、という印象でした。

そこに私が、中棹と津軽三味線を持って乗り込んだ? 訳なのです。 

 三味線本体の説明、次に少しのデモンストレーション、その中で、笑い、驚き、喝采、

そして和気藹々の内に時間は進んでいきました。

やがて質問コーナーに移る訳ですが、その中の幾つかをご紹介しながら随想していきたいと思います。

 

何故、三味線を弾くようになったのですか?

父の逝去がきっかけですが、やはり好きだからでしょうね。

  好き、という言葉に和らいだ反応を感じました。そこに私は、

  仕事としてとか是非とかの前に、やはりメンタルなそれが大事な要素である事を改めて認識した思いでした。

尊敬する人は誰ですか?

津軽三味線では高橋竹山さん、

中棹では本絛秀太郎さんです。大河ドラマ「元禄繚乱」の邦楽指導もしておられますので、今度見て下さい。

  感覚的には前項と類似しています。教育的配慮を加味した答え方と言えなくもないですが・・・

  因みに「ブランドの藤本、実力の本絛と思っています」と言うと、ウケました。

三味線は何オクターブですか?

(一絃、三絃、三絃10のツボ、三絃20のツボ、と弾いて)四オクターブです(一同、オーッと感嘆)

  更にドレミの解説を若干加えたのですが、これらは次代を担う人材を育てるのに絶対必要な要素です。

  共通語として洋楽を踏まえ、世界の音楽は一つだと認識できれば、喜んで邦楽に加わるだろうと実感しました。

三味線の譜面は?

「文化譜」と呼びます。ギターのタグ譜と同じ表記方法です。

  これは顧問の先生のご質問でした。これも洋楽の知識がないと、例えに困ると思います。

  更に先生は、JAZZを聞かせてとおっしゃいましたが、ソロでは分かりにくいので、

  ブルーコード、サス4、バップ、リディアンなどJAZZ特有の奏法を例えて、

  演奏の可能性の表現と、民謡とJAZZの類似性の説明に留まりました。

 

 以上、主だった質問を、四つ挙げさせて戴きました。

 この後、間近で楽器を見る、触る、に移ったのですが、

これらを踏まえて、私は改めて、民謡関係者の体質改善を痛感したのです。

現代の子供たちは、学校であれ塾であれ、非常にシステマチックな教育環境の中で育っています。

そんな現状にあって、今の民謡家が若い世代の育成を叫ぶなら、まず自らの体系化が急務だと思います。

洋楽の素養もその一つでしょう。例えば始めから「わび、さび」では、肝心の指導者さえも躊躇せざるを得ません。

おこがましく手前味噌を承知で申し上げますと、私が今回、

戸惑いや気後れ、ひけ目を感じなかったのは、体系的なマネジメントを平生から心掛けていたお陰だと思います。

 今回の経験で私は、「教育現場にも通用する指導方法」が、日本民謡の将来の基準の一つであると、

確信したのです。確かに「演奏」も、それを表現する方法の一つでしょうが、

この度のような「講義」の場ももっと増やしていく事が、はるかに重要だと思いました。

その意味で、私にとりまして本当に貴重な体験をさせて戴きました。皆様有難うございました。 

 そして末筆ながら、この度お世話になった長尾小学校校長、すみれガ丘小学校校長、

並びに、合唱部の先生方、そして新鮮な感動を与えてくれた主人公たる児童の皆様の、

今後益々のご発展とご隆昌を心よりお祈り申し上げます。

 

(テレビ放映)

*平成11年10月9日午後2時 教育テレビ「響け歌声」(会主も同時出演)

*平成11年10月16日午後1時45分 教育テレビ「NHK合唱コンクール全国大会」(すみれガ丘小学校合唱部)