浮世

浮世

 「浮世」。この言葉から皆様は、何を連想されるでしょうか?

そもそも浮世とは、世の中を指す言葉で、大宇宙神(10次元。宇宙神界とも)は、最初に水を創ったので、

水に浮く様な移ろいやすい人間の世を称して「うきよ」と名付けたそうです。因みに、

「世の中」とは、末世の闇の世(元「病みの世」から)に喩えて「夜の中」、転じて「世の中」なのだそうです。

だとすれば、浮世から連想されるものは、そう明るい因子はなさそうです。つまり、辛い事が多いのが浮世なのです。

 自分の加害には気付かず被害には敏感。我が儘で勝手なのが浮世です。

卑近な例では、一部の週刊誌や雑誌等が芸能人などを辛辣に暴き立てる記事を載せていますが、

なにも週刊誌や芸能人でなくても、我々周辺でさえ充分同じ事があります。

「人の口に戸は立てられぬ」と言いますが、この言葉は時として、暗に加害者を過大に養護します。

これに仏教の「因果」思想が悪用されて加わり、結果、加害者は守られ、被害者の傷は放置されるきらいがあります。

 次に、日本人は往々にして直接的表現を避けた言い方をするので、時として原因の所在が判らない時があります。

私は個人的に、この遠回しな言い方を「おとな言葉」と呼んでいます。お教室でもよくある事ですが、

「誰とは言いませんが、何かおっしゃっていた様な・・・」そんな言い方をする位なら黙っていて欲しいものです。

それから、引き留めて欲しさに「辞める」と迫ってくる族。そんな時「私は『来る者拒まず去る者追わず』のタイプだよ」

というと「すみません」と引き下がるか、本当に辞めてから「あの先生は私を見放した」と陰で非難ごうごう・・・

全く「おとな言葉」は理解出来ません。これでは却って子供の方が、よっぽど真っ正直で「大人らしい」です。

 また、人の無責任には敏感で、自分の無責任には寛大なのも、浮世の習いです。

政治家や官僚、実業家の悪辣ぶりには、なんやかんやと一億総評論家状態なのですが、

煙草のポイ捨てや痰の吐き捨て、会社経費の遣い過ぎ、アウトドアだと言って自然の中に車で入っていく等々・・・

そういう個人のちょっとした意識の貧困さと矛盾が、社会全体の病巣です。

 それから「地獄の沙汰も金次第」といいます。この世の殆どはお金に網羅されています。即ちこの世が地獄なのです。

時代は、陽の極を過ぎて今後ますます陰へと向かいます。これは易学でも明らかな事実です。

輪廻転生によって、過去より何度となく生まれ死にゆくなかで、

それぞれのその時々のちょっとした悪の積み重ねが、時を経て時代を越えて、今を生きる自分に降りかかっているのだとしたら、

今後はもっと苦しみ多き浮世になるという事です。闇が増え、真に輝く者はだんだんと減ってゆく・・・

今放映されているNHK大河ドラマ「北条時宗」でも、醜い時代性、モラルの未確立、不便、それ故の非運、残酷等が、

見事に描かれています。しかしその頃から何百年時代が進んだ現代、我々は一体どこをどう進化したと言えるでしょうか?

科学が進化だというなら確かに物凄い進化を遂げましたが、諸刃の剣である以上、そう自慢できたものではありません。

まして、人としての進化はと問われると、前述曰く「?」と考え込む事ばかりで、何やら情けなくもなります。

 浮世は非常に疲れます。私のような者でも、しんどい思いが多いです。

しかしやはり、そこを踏ん張って、浮世に流されず、気付いた者から一時でも早く、進化すべきだと思うのです。

「浮世」。この窮屈にして興醒めな苦海の地獄。しかし厳然たる事実の世界。

私達は今後、如何に生かされるのでしょうか。