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知恵を絞る 1 - ???? ???

知恵を絞る 1

知恵を絞る 1

 老化と進化を両立させる取り組み。

 これは一見、無理難題に思えます。確かに一筋縄ではいきません。しかし決して不可能でもありません。
「智恵は絞れば出るもの」です。手前共は発会以来、ずっとこの精神で参りました。

 まず老化の原因は、かつての民謡ブームを支えた世代が高齢化した事による世間のイメージが大きく関わっております。
現に「日本民謡は老人福祉に強い」という傾向があり、それは即ち「年寄りの音楽」というイメージです。

カルチャーとしての日本民謡も、スタート年齢が遅い事や指導手法のばらつきなども、老化に拍車をかける原因になっています。
何故なら、そこそこ理解して力がついてきた頃には、もう団塊の世代を越えようとしているからです。

 次に進化への挑戦ですが、これは会主先生の意識にかかっています。
先生にどれほど熱意と高い見識があるか。実力や先見性があるか。人望と実行力があるか・・・
リーダーは、序列や頭脳だけで出来るものではありません。これはこのコラムで何度も申し上げています。

女将おかみ育成を手掛けるとある旅館の女将や、自由党の小沢政経塾云々~は以前にも述べましたが、それにも増して私の論調が机上の空論でない証拠として、5月9日付けの毎日新聞に、公務員で、海外研修等を含めた「真のエリート」育成の新しいプログラムが実施されたり、日産自動車の業績を急上昇させた手腕で有名なカルロス・ゴーン社長に倣って、技術者にも運営手腕を備えさせた、通称「和製ゴーン」育成が始まったという記事を読みました。

如何に「優れたリーダー」があらゆるジャンル世界で、そして文字通り世界中で必要になってきたかを示す一例だと思います。
真に優れた者がその志を正しくしてなお、天から授かるもの。それがリーダーシップです。馬鹿なリーダーは立派な社会悪です。
リーダーに遵う側にも毅然とした態度が必要ですが、リーダーはそれ以上に自己を律する必要があるのです。

そして同様に民謡界も、これからのリーダーは民謡界の枠組みだけで物事を考えるのはもはや限界です。
他の芸能やスポーツ、政治、経済、実業に至るまで、多方面へ意識を働かせていきながら智恵を絞っていけば、答えはいくらでもころがっています。

 では老化と進化の両立ですが、手前共では以下の手法を取っています。

老化への改善策は、若年層の勧誘と世代交代がセオリーですが、若年層勧誘は、まず若い世代の「声」を直接聞くこと。
不景気がお稽古を妨げる原因なら、安く、時間に縛られないようなシステムを作ってあげて、効率良く宣伝すればよいのです。

実際、幸真会の準会員規定では、働き盛りの世代が仕事帰りや合間をぬってお稽古に参加なさっていますし、きっかけさえ与えればむしろ若い世代の方が「日本人だからこそ」という意識は強いように感じます。

それから「迎合せず孤立せず」が大事です。安易な洋楽換算は、洋楽の識者にまた蔑視されます。
月刊みんようで取り上げられている五線譜換算理論は、個人的には異義があります。かといって、民謡を一般から隔離して考えるのもグローバリゼーションに逆行しますから、するからには、完成された実践力のある理論と高度なバランス感覚が必要です。

世代交代は、入会したての人材を積極的に登用し次々に入れ替えていくことで、保守的な雰囲気や沈滞ムードは解消されます。
それを支えるのはやはり前述の、会主先生の高い見識や先見性、人望などです。

しかし差し当たっては、現状を維持しながらのこれらの両立には、「老人施設への慰問本数を多くこなす事」を当面の延命措置としています。ポイントは「カタルシス作用」です。 世代間の意識が開く程、換言すれば若い力を見せつけられる程、ご老体は諦めムードを強め意気消沈していきます。しかし、同年代の「老いた姿」を目の当たりにすると、言葉は悪いですが「こうならない様に1日でも長く頑張ろう」と張り切ります。

勿論、社会貢献にはなるし、場数を踏むから上手になるし、将来の見積もりにとスタッフに取材する方もおられるしと、いきおい双方に活気が出てきます。現に手前共では、それなりの成果を感じます。

ただ一つ注意点は「必要以上に営業ネタのマニュアル化をしないこと」。

演奏に説得力を持たせる為に最低限は必要ですが、無闇にこれをしては緊張感に欠け、双方にとっても効能が半減します。
またこちらが舞台に関して要求を増やす事は、相手側にとって負担になります。 舞台は水物。つまり何度お稽古を重ねても本番でどの様な対応を迫られるか判りません。

クラシック型思考より臨機応変なジャズ型思考が相応しいでしょう。こういう思考を習慣化させる事も老化防止になります。
  これらは、確かに付け刃的発想かも知れません。一番いいのは勿論、レベルも人数も意識も一級である事です。

しかし世の中、そう完全に満たされるものではありませんから、智恵を絞り続けて結果を出す事が大事です。因みに、あまり貧乏性が長く続き過ぎた挙げ句に満たされた時が来て、真価が発揮できなかったりするかも知れませんが(笑)

とにかく、満たされていなくとも智恵を絞ればそれなりに何とかなるという事を、申し上げたかったのです。